21歳、大学生。社会的にも、体力的にもなんだって出来る。でも実際は、将来に対して悩んだり、日々悶々と暮らしている。尊敬する大人や同世代の人たちもこんな風に悩む事もあるんだろうか。会って実際に聞いてみよう。それくらいは一人で出来るはず。ひとりでできるもん。
めげながらも、後ろ向きで進む
遠藤:周囲と違うことをしていて、不安はありますか?
小明:私は周囲と同じことをするときのほうが不安なんです。そこで自分は絶対落ちこぼれるという自信があるから。「みんなと違う土俵にいる」という言い訳がなければ生きていけないんですよ。まぁ、その結果、頭禿げたりしていますけどね。
遠藤:10円禿げとか、パニック障害は生活する上ではマイナスかもしれないんですが、それを上手に活かされていますよね。
小明:うん、禿げドルですね。つらいことも「後々のネタ」だと思って、「いつかコラムとかに書いて金にしたろ!」と思ったら大学時代も笑い飛ばせますよ。
遠藤:小明さんはそういった大学生活の中で、音楽とかマンガに救われていたんですよね。
小明:そうかも知れないです。マンガはジャンプ育ちでそこからガロ、アックス系に走って、山田花子さんとか、蛭子能収さんとか、福満しげゆき先生とかが好きです。
後は、大槻ケンヂさん、太宰治さんとかも好きですね。あと、自殺をいつも考えていたときに、寺山修司さんの「青少年のための自殺学入門」という本に出会ったんです。その本にはいろんな自殺の方法が書いてあるんですけど、それを読むことによって「あ、これはいつでも死ねるわ」と思って、「じゃあ生きてよ〜」って思えたんですよ。
「明日できることをわざわざ今日しなくていいや」って思って、生きながらえたんです、そうやって生きてたら意外にいいことがあったりするから、得な気分ですよ。そういう風に、後ろ向きな人は、無理に明るい本を読まない方が良いですよ、変な自己啓発セミナーにはまってお金をとられるより、暗い本を読んで生きながらえるほうがずっと良いよ。
遠藤:そうですね。音楽はどういったものを聞かれていましたか?
小明:森田童子さんとか中島みゆきさんの音楽を聴いていました。基本的にいつも元気がないので、元気な歌を聞くと逆に落ち込むんです......。「あんまり明るくないけど、しぶとく生きる」というのが人生のテーマです。
でも、以前、大槻ケンヂさんに対談で、「初めからネガティブ思考で予防線を張っていると、最初はいいけどいつかダメになるよ」と言われて......やっぱりネガティブ思考は限界がくるみたいなんですよ。だから私もポジティブにならねば、と思ってるんですけど、急には無理ですよね......いつも最悪の事態を想定して生きてます。
外に出ると車にひかれるんじゃないかとか、家を空けた瞬間に強盗が......とか考えちゃうんで、もう家から出たくないですよね。休日は主にインナートリップです。
遠藤:なるほど。今はインターネットがあるからいつでも内に籠れますもんね。
小明:そうそう、私もちゃんとした人間関係が築けないから定期的にイベントを開いて、小さな力をたくさん貰っているのかもしれないですしね。
これがいつまで続けられるかっていう危機感はありますけどね、今は10代から50代までの老若男女が来てくれて本当にありがたいですね。「アイドルライター」のアイドルの部分が取れて、ちゃんと文章だけで食べていけるようになるために、ここ2、3年が完全に勝負なので頑張ります。
遠藤:ライターとして頑張るって具体的に何をするんですか?
小明:いっぱいあるんですけど文章力と引き出しですかね。インタビューアーとかライターで成功している人は構成力と知識量も私とは違うし、何よりコミュニケーション能力が高いんですよ。
私はアイドルライターとしてやっていて、アイドルの中では書ける方、ライターの中ではアイドル感があって、間をとっているずるいコウモリの部分があるんですよ。アイドルの中だとだめだし、ライターの中だと上手い方ではないし、その宙ぶらりんの状態から実力をつけないといけないですね。
遠藤:では、小明さんの強みって何だと思われていますか?
小明:うーんと、ゼロですかね。勝間和代さんとかの前向きな「やるぞっ!」っていうのが向かない人に向けて、私はすごくダメな人間だけど、生きているところを見て貰って「自分も生きていていいんだ」と思ってもらえたら凄く嬉し いなと思います。とは言え、誰かに対してメッセージを送ると言うのはおこがましいと思ってしまうので、メッセージも伝えたいこともないです。
なんとかして生きていければいいなと思っています。低いところをぼんやりとぐだぐだしながら低い部分を進んで行くんです。高いところに行くと矢が当たるでしょう。「自分はクズですから、クズですから」と言いながら前に進んで行くのが理想です。
遠藤:最後に学生へのメッセージを頂けますか?
小明:どうせお前ら私のことバカにしてるんだろう!
遠藤:いや、そんなことないですよ(笑)!
小明:私が大学を卒業したときは4、5年前で、私も社会に出ている実感がないので、あまりおこがましいことを言える立場ではないんです。言えることがあるとすれば、とにかく打たれ強く頑張って欲しいですね。
「めげながらも、後ろ向きで進むことはすごく前が見辛いから進み辛いし怖いと思うけど、一応前には進んでるよ」と思う。止まらないことが一番大事ですよ。前向きでも止まっちゃう人は止まっちゃうけど、「どうせどうせ......」と言いながら、「なんだみんな死ね」と思いながらでも、ぐだぐだ進んでいる人が一番偉いから。
「頑張るぞ!」って言ってくじけちゃって止まるよりは、周りを伺いながら、ビクビクしながらでも進むことが一番いいですよね。
遠藤:やりたいことがみつからないときはどうすればいいでしょう?
小明:うん、やりたいこととか、夢とか普通はないと思うんですよね。ないない、そんなの。とりあえず、止まっちゃうとそこから何も貰えないから、何かやってれば意外といいものが拾ったり、歩いていたら何かにぶつかったりしますよ。
「ブレないことが大事」とか上の世代からも同世代からも言われると思いますが、別にぶれてもそのぶんいろんなものや景色が見られるから別にいいと思いますね。
遠藤:軸がないとかよく言われます。
小明:そうそう、私軸なんてあったことないですよ。お金持ちじゃないですが、一応ご飯は食べていけてるし、楽しく生きてます。
夢とか目的とかに対して真っすぐ軸を立てて前向きに歩いて行ける人は立派だと思いますけど、私はそういう人格ではないし、「結果気がついたら進んでたよ」というのはとても素敵なことだと思いますよ。
(第8回/おわり)











